CSE チームでマネージャーをしている kirai です。
生まれてから35年間住んだ東京を離れ、埼玉に引っ越す事になりました。新たなライフステージを、埼玉で翔んで楽しみたい思っています!
はじめに
2021年に
「CSE って何だ。Techtouch の Customer Success Engineer 職を紹介してみる」 という記事を執筆しました。
あれから3年が経過し、当時とチーム状況や役割の変化、他社でも CRE(Customer Reliability Engineer) や Customer 系エンジニアと、名前は違えど同様の職種の記事や求人募集を見かける機会が増えました。
ただ、まだまだ世間一般への認知度が低く、求人募集だけ見ると、サポートエンジニアと何が違うの?と、分かりづらい部分もあると思いますので、改めてテックタッチの CSE という仕事の魅力を紹介したいと思います。
CSE とはなにか?
弊社では Customer Success Engineer というチーム名で業務を行っていますが、世の中を見渡してみると以下のチーム名で同様の業務を遂行しています。
- Customer Reliability Engineer(CRE)
- Customer Engineer(CE)
- Customer Success Engineer(CSE)
- Customer Support Engineer(CSE)
もちろん、各会社で特色はありますが、業務の軸(顧客対応をメインとしたエンジニア職)や向き合う課題は皆同様と考えています。 なので、個人的には CSE も CRE も CE も、同じ職種の仲間だと思っています!
3年前からテックタッチCSEの役割はどう変わった?
さて、前置きが長くなりましたが、テックタッチの CSE が一体何をしているのか気になり始めて頂けましたか?
ここからは、3年前と比較をしながら業務の全体像を紹介したいと思います。
◯3年前(2021年)
◯2024年3月時点
2021年当時は3名体制でテクニカルサポートを中心とした顧客対応がメインでした。
現在はチームも6名体制となりセールスフェーズからカスタマーサクセスフェーズまで一気通貫に関わる役割が増えていきました。
(デザイナーの監修も入りスライドも美しくなりました。本当にありがとうございます。)
もうすこし整理する
テックタッチの CSE が担当する業務を大きくカテゴライズすると、以下4つが主軸となっています。
※インプリメンテーション業務が聞き慣れないかもしれませんが、顧客へプロダクトの導入支援を行う業務を指しています。
3年前は、カスタマーサクセスフェーズでのテクニカルサポート業務がメインでした。
しかし、現在はインプリメンテーション業務として、「営業段階の商談同行」、「プロダクトの導入支援」、「サービス利用時に必要な拡張機能の一括配布手法の提案」等々と、関わる業務が拡大していきました。
会社の成長と一緒に CSE チームの役割も増え、エンジニアでありながら、ビジネスプロセスに密接に関わる職種として重要なポジションを担えていると自負しております。
もっと業務の詳細を紹介してみたい!
折角の blog 執筆、世の中に CSE という仕事を広めたいと日々思っているので、今回は普段話す機会が少ない CSE の業務詳細も紹介したいと思います!
今回取り上げるのは、前章に記載した4つの業務カテゴリから、テクニカルサポート業務の「不具合対応」と、インプリメンテーション業務の「拡張機能の一括配布」について紹介したいと思います。
テックタッチにおける不具合対応とは?
不具合対応は CSE の業務の醍醐味と言っても過言ではないですね!
まずは、どういった流れで対応が進むのかを紹介します。
大きな対応の流れは他社とも変わらないと思いますが、各ポイントの特徴を解説すると。
- 不具合の初報は CSM(Customor Success Manaeger) から受け付ける事
- 不具合ではない事象はそのまま CSM が顧客対応として効率化が図られています。
- ただし、少しでも分からない場合、すぐに CSE に連絡が来るように合意。
- 不具合ではない事象はそのまま CSM が顧客対応として効率化が図られています。
- 基本的には対応できる人が対応するスタイル
- 担当者の固定化を防ぎ、業務対応のバス係数を増やすため、基本的には担当者の固定化はしていません。
- 「全員が全ての業務を出来るようになる」を目指して、チーム内でのスキルトランスファーを含めて日々精進しています。
- 担当者の固定化を防ぎ、業務対応のバス係数を増やすため、基本的には担当者の固定化はしていません。
- CSE チームでは不具合の修正はしない事
- 顧客対応の迅速化を図るため、不具合の調査と不具合の修正を1つの線引きとしています。
- スクラムチームが集中して改修にコストを避けるように全力で支援する。
- そのため、リモートミーティング以外にも現地訪問することも。
- 顧客対応の迅速化を図るため、不具合の調査と不具合の修正を1つの線引きとしています。
- CSM と協力して、発生した不具合の解消に向けたマネージメントを行う事
- 不具合を報告して終わりではありません。
- 発生している不具合が顧客や CSM にとってどれぐらい致命的なのか、温度感としてどれぐらいスピード感を求めているのか、そういった情報の整理、方針の調整をするの事も CSE の重要な業務の1つです。
CSM から CSE にはどんな情報が連携されるの?
CSM と CSE は切っても切れない関係にあるぐらい一緒に業務をすることが多いです。
そのため、問い合わせ内容も定型化しており slack のワークフローから投稿できるように整備しています。
添付画像は slack のワークフローを起動した際に表示されるフォームとなり、以下の内容を記載して連携してもらっています。
- カテゴリ(「不具合調査」や「仕様確認」等の入力欄)
- 担当者指定(緊急の場合等、担当者を指名する入力欄)
- 顧客名
- 顧客のビジネスモデル
- 依頼の要約
- 確認して欲しい内容
- 対象システム
- 補足(①・③・③と補足として欲しい情報の入力欄になります)
そして、slack への通知と共に、zapier 経由で Jira にチケットが登録され、チーム内のタスク管理に利用しています。
誰かに何かを依頼する場合、担当者の負荷にならず、適切な情報量で連携しあえる事が重要ですね。
ただ、あまりにもルール化をし過ぎると、問い合わせがし辛いという状況に陥ってしまうジレンマがあります。
そのため、上記画像のようにフォーム外からの問い合わせも気軽に受けており、お客さんのミーティングに同席する事もしばしば。
自分の知らない事も恐れずに、とりあえず何でも対応する、そんなフットワークの軽さも CSE の大事なスキル素養の1つとも言えますね!
CSE チームからスクラムチームにはどんな情報を連携するの?
CSE の調査によって不具合と判断出来た場合は、Jiraでチケットを作成し、slack に投稿して連携します。
Jira に投稿する際のチケット内容ですが、一部ですが以下がメインの内容となります。
■お客様名
<お客様名を記載>■顧客温度感
<対応スピード感を記載する>
■事象が発生したシステム名
<正式名称を記載>
■利用ブラウザー
<Chrome/Edge 等>
■お客様利用バージョン
<1.x.x / 2.x.x と記載>
■事象の内容
<事象の詳細な内容を記載>
■期待する動作
<事象が改善したときの動作を書く>
■事象の再現確認
<お客様再現確立済み/CSMでも事象再現確立済み/特定のエンドユーザーのみ発生 等>
<再現するための条件までわかっている場合は補足として追記ください>
■Slack(問合せ元、障害報告、調査連携先等)
<URLを記載>
ここで重要なポイントは以下2点です。
- 顧客+担当 CSM の温度感とスピード感を記載すること
- この内容で初回対応、顧客対応方針等が決まる重要な情報ですので、絶対に確認しましょう。
- 不具合の再現方法を詳細に記載すること
- 不具合が再現できないとどんなスーパーエンジニアでも調査が出来ません。
- CSE はあらゆる手段を使って、不具合の再現方法を確立する事が重要なポイントになります。
Jira でのチケット化。専用の slack チャンネルでの連携。また、週次で 不具合共有会(ミーティング)を実施し、スクラムチームと連携して対応を進めるようにプロセス化しております。
こんな Jira のボードを CSE で作成して、見やすくなるように工夫していたりもします。
拡張機能の一括配布って何をするの?
さて、今度は打って変わって、拡張機能の配布についてのお話になります。
テックタッチでも、プロダクトを利用するための方法として、拡張機能での提供を行っております。
(最近、CNET Japanの「生産性を高めるGoogle Chrome拡張機能ベスト7選」にも紹介されていたり)
基本的には以下の通りの2パターンとなり、CSE チームでは「ツールでの一括配布」の支援をインプリメンテーション業務として対応しています。
多くの企業で活用されるツールとしては以下二通りがあり、テックタッチでもお客様を支援するための手順やノウハウを提供しております。
- Microsoft Active Directory
- Microsoft Intune
一括配布を行う際は以下の点をお客様と確認をしながら進めています。
- 企業内のネットワーク構成
- サービスを利用するための通信、拡張機能のインストール・更新に必要な通信等、サービスに必要不可欠な通信の開放が行われるようお客様と作業を進めます
- NW上に存在する、プロキシサーバーや次世代FW、クラウドプロキシによる制限がないか等
- サービスを利用するための通信、拡張機能のインストール・更新に必要な通信等、サービスに必要不可欠な通信の開放が行われるようお客様と作業を進めます
- セキュリティ管理状況
- 拡張機能の動作が影響しないようにセキュリティの開放が行われるようお客様と作業を進めます
- PC上に導入しているセキュリティソフトウェア、Web分離・無害化ソリューションによる制限がないか等
- 拡張機能の動作が影響しないようにセキュリティの開放が行われるようお客様と作業を進めます
- ツールでのアプリケーション管理状況
- ツールでの配布実績があるか、配布によって別の拡張機能に影響を及ぼさないか等、管理状況を確認しながら一括配布の作業をお客様と進めます
- AD や Intune での配布実績、SKYSEA や UiPath 等の別サービスの拡張機能の配布とバッティングしないか等
- ツールでの配布実績があるか、配布によって別の拡張機能に影響を及ぼさないか等、管理状況を確認しながら一括配布の作業をお客様と進めます
インプリメンテーション業務は、企業の現状の構成を深く理解して、適切に導入支援の提案をする必要があります。
CSE チームでは Web アプリケーションのスキルに加えて、インフラスキルや、エンタープライズ企業のセキュリティ・ツールのスキルも重要なポイントとなってきています。
最後に、CSE の魅力とは
現在のテックタッチの CSE の仕事内容について、いかがだったでしょうか?
改めて、CSE という職種の魅力を振り返ると
「顧客はプロダクトを信頼し、会社はプロダクトの真の価値を届ける、その世界に関わる全ての人を支えるためのエンジニアである」
こと、だと思います。
そのために、多岐にわたる業務を遂行するスキルが必要となり、非常に刺激的で、魅力的な職種の1つだと信じています。
そんな CSE チームでは新しいメンバーの採用(ISEとTSE)を進めています。
いきなり全ての業務を担当してもらうことはせず、まずはインプリメンテーション業務かテクニカルサポート業務のどちらかをメインに担当頂き、その後オンボーディングと実践を通して、スキルトランスファーを行っています。
一緒にテックタッチを支えるエンジニアをお待ちしています!