Techtouch Developers Blog

テックタッチ株式会社の開発チームによるテックブログです

QAチームで"Agile Testing Condensed"の読書会をしてみた

はじめに

この記事はテックタッチアドベントカレンダー10日目の記事です。

こんにちは、QA PM(Quality Assurance Project Manager)の shutty です。2021年10月に入社して早1年がたったわけですが、ずっと全力疾走で走り続けています。入社X年エントリーも先日公開していますので、ぜひご覧ください。一緒に走る仲間が増えて心強い限りです。昨日は SRE チームの roki さんによる A Guide to the Go Garbage Collectorを読んで GOGC と GOMEMLIMIT を理解するでした。難しい話ですが、図表を用いてわかりやすく解説しているので、是非ご一読ください。

やったこと

2022年12月現在、QA チームは正社員3名、業務委託メンバー5名で構成されたチームになっています。スクラムの経験が初めてのメンバーや開発経験があるメンバーなど、バックグラウンドがさまざまなメンバーのチームです。そこでみんなが共通の言語や認識をもって目標に向かっていけるように読書会を開催することにしました。2022年8月にスタートしたこの読書会は2022年12月に完了する予定です。

読書対象の書籍

  • なるべく短い書籍で(読了したい)
  • アジャイル開発に関係がある
  • ソフトウェアテストにも関連がある
  • 初学者でもとっつきやすい

上記のような本を探しました。探しましたと言いましたが、実は前から目星はつけていました。それが Agile Testing Condensed Japanese Edition です。 以前同著者の実践アジャイルテスト テスターとアジャイルチームのための実践ガイドを読んだことがありました。書いてあることは非常に明瞭で詳細に記載がありました。一方で、552ページというのは物理的にも精神的にも重く、気軽に勧められるものではありませんでした。そんな中 Agile Testing Condensed Japanese Edition は軽量かつ濃い内容なのでまさにうってつけの本でした。

やりかた

とりあえずやってみよう!からはじめました。回を重ねる中で以下のようなルールになりました。 ボードの構成は以前参加した JaSST nano vol.5 の市川さんによる Agile Testing Condensedの読書会を開発チームを巻き込んでやってみたの を参考にさせていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

当時のルールはこちらです。

当時のルール

グランドルール

正直に話す わからないことはわからないという 自分が知らないことはきっと誰かも知らないこと 自分の発表の時はカメラオン(できれば)

全員が発言しやすいようにグランドルールを設けました。あたらしい概念について本を読むので、わからないことはわからないといえる土壌を作りたかったからです。

会の流れ

範囲の確認(5分)

範囲の確認です。1時間のワークの中で最後までできそうな範囲をみんなで確認しました。

範囲を黙読する(15分) 15-20分でできる範囲

実際に黙読します。この時気になったことや、わからなかったことはメモしてもらいました。

miro board でまとめる(個人ワーク、10分) できていること、できていないこと、新しく学んだこと、わからなかったこと・疑問に思ったこと、つぶやき・感想

お互いの認識を5カテゴリーに分けてもらいました。書籍に記載してある内容と自身の活動・知見とを照らし合わせて相違点をまとめてもらうことが目的です。

発表&似ているものをまとめる(全体ワーク、1人3分、24分)

ちょっと忙しいですが、発表して KJ 法のようにグルーピングをしていきます。 グルーピングが終わったら扱いたいトピックを決めて深掘りします。

  • テックタッチで実践できそうなこと
  • わからなかったから聞きたいこと
  • 他の人が「できていること」にしたのに、自分が「できていないこと」になっているのはどんなタスクなのか

など、視点はさまざまです。

チェックアウト(5分)その回で一番大事だと思ったことを30秒くらい話して DONE

たくさんディスカッションすると忘れてしまいます。 心に残ったことやこれか挑戦したいことを話してチェックアウトします。

次回の予定

次回実施する範囲やスケジュールについて共有します。

工夫した点

業務委託のメンバーを巻き込む

テックタッチの QA は正社員より先に業務委託の方が中心になって検証を行っていた過去があります。このため、テックタッチの品質を向上するためには彼らにも現在の QA とこれから目指す QA についての目線を合わせていたいという思いがありました。ありがたいことに所属会社の理解を得られ、現場のメンバーも快く受け入れ積極的に参加してくださっています。

事前準備

「事前に決められた範囲を読んでおいて内容をディスカッションする」形式の読書会もあると思います。しかし、事前に読んでくることが難しいと思っていたため今回はみんなで黙読する時間を設けました。この方がある程度みんなの読書スピードに合わせて読む範囲を柔軟に設定することができます。一方で、確保した時間の1/3を黙読=「個人で実施できるタスク」にしてしまっているのでディスカッションできるトピック数という点で非効率な部分もあります。このあたりは参加しやすさと効率のトレードオフになると思うので、初回ということもあり、参加ハードルを下げるためにも事前に読んでくる必要がない形式を採用しました。

差し込みタスク

読書会の時間を定期的に確保していてもスクラムイベントの延長・リスケやリリース前の検証のタイミングによっては読書会をスキップしなければならないことがありました。こればかりはどうにもならないですが、スキップしてしまっても折れない心で続けることが大切だと思います。

最後に

8月にスタートして12月にようやく読了しようとしています。今後は職種にかかわらずこういった会を設けたいと考えています。 そして、次の勉強会のネタを考えなければならないのですが、もしおすすめの書籍があればこの記事へのコメントや twitter の DM からでもお気軽にお声がけください! みんなで Agile Testing を実践できていると実感するにはまだ時間がかかりそうですが、QA チーム全体で共通認識を持ち、これからのテックタッチの Agile Testing を進めていきたいと思います!