こんにちは、プロダクトマネージャーの yujiro です。
最近 Nintendo Switch を購入し、妻と一緒にスーパーマリオをプレイしてます。数少ない共通の話題が増えて嬉しいです。
はじめに
テックタッチではおよそ3ヶ月に1度の間隔で新機能をリリースしており、その際にリリース内容共有会を開催してリリース内容の社内周知を行っています。このリリース内容共有会を社内では「 Showcase 」と呼んでいます。
この「 Showcase 」は、リリース内容の説明に留まらないプロダクトチームとビジネスチームをつなげるユニークなイベントになっています。本記事では、「 Showcase 」を通じてどのように両者の距離を縮め、一体感のあるカルチャーを生み出しているのかを紹介します。
前提:テックタッチはハイタッチCSに支えられている
弊社プロダクトの「テックタッチ」は、ノーコードで簡単に UI 実装ができるという触れ込みではありますが、UI 設計を行うには対象業務のドメイン知識や UI に関するノウハウが必要です。そうしたプロダクトだけではカバーしきれない部分を、弊社ではカスタマーサクセスマネージャー(以下 CSM )が担っています。
新しくリリースされた機能についても CSM を通じてお客様へ伝わっていくことが多いため、この「 Showcase 」を通じてまずは社内への周知を行っています。
「 Showcase 」とは
「 Showcase 」とは、プロダクトオーナー・プロダクトマネージャー(以下 PO・PdM )によって開催される、次のリリース内容を周知するための1時間の自由参加イベントです。
会社の成長に伴い参加者も増え、いまでは全社員100人以上が招待されるイベントになりました。
ここで、弊社における各職種の役割を簡単に解説しておくと以下になります。
- プロダクトオーナー:製品戦略を実現するため、バックログを優先順位付けして管理する。
- プロダクトマネージャー:お客様や市場へのディスカバリーを通じて、製品戦略を立案・実行する。
- カスタマーサクセスマネージャー:お客様が製品を最大限活用し、成功を実現するために支援する。
この「 Showcase 」は、以下ようにして開催されます。
事前準備
まず始めに、PO・PdM があらかじめ発表内容を Notion へ記載しておきます。以下のような内容を機能ごとに記載します。
- 今回リリースされる機能の説明
- お客様にとっての価値、解決される課題
- 特に強くご要望をいただいたお客様
- 開発したエンジニア
単なる機能紹介だけではなく、ユースケースやお客様がどのような課題を持っていたのかも含めて周知することで、今回のリリース意図を全員で目線を合わせられるようにします。
また、より分かりやすく伝えるためにドッグフーディング環境(※)で実際のユースケースを再現し、デモの準備をしたり、 GIF 動画/スクリーンショットも撮影・掲載しておきます。こうすることでメンバーがより具体的にお客様の課題をイメージできるようにしています。
※ドッグフーディング環境とは:デプロイ頻度を上げてより早く社内で最新機能を試すことを目的にして作られた、社内用のテックタッチ環境です。弊社の場合、通常のリリースが3ヶ月に1度とそこそこ長いため、ドッグフーディング環境については1~2週間でデプロイし、ビジネスチーム含めた社内全員が最新機能を試せるようにしています。
開催当日
当日はリモートワークのメンバーも多いので、Meet で開催します。 上述の Notion を投影し、デモも交えつつリリース内容を説明していきます。お客様と同じ目線に立って今回のリリース内容の価値を感じてもらえるようにします。
またこの際、「 live-comment (※) 」というコミュニケーションツールを活用し、発表者と視聴者で双方向でコミュニケーションしながら進行します。
※「 live-comment 」とは:ニコニコ動画風にコメントがタイムリーに流れるサービスです!弊社の roki さんという方が作ってくれました。こちらのレポジトリでソースコードも公開されていますので、気になった方は是非使ってみてください!
テックタッチではこの「 live-comment 」を使ったコミュニケーションがカルチャーとして根付いており、「 Showcase 」の場でも大活躍しています。盛り上がったときには弾幕のようにコメントが飛び交います。
- これ面倒なんだよね、、ワカル、、という課題への共感
- この機能ほしかった!お客様へ提案します!というような称賛
- 機能の使い方やユースケース、仕様への質問
これらの熱いフィードバックを貰えた時が、PdM をやっていて一番嬉しい瞬間です!
そしてもう一つ重要なのが、このタイミングで実際に機能開発を担当したエンジニアに登場して貰うことにあります。こうして以下の流れで進行することで、エンジニアに称賛が当たるように演出し、プロダクトチームとビジネスチームがつながる場を作り出しています。
→ お客様の課題への共感😢
→ プロダクトによる解消🥰
→ そしてエンジニアの登場😆🎉
エンジニアからは、工夫したところやこだわりポイントなども共有してもらいます。プロダクトチームとビジネスチームは業務上のやり取りは少ないですが、「 Showcase 」でスポットを当てること少しでもエンジニアの人となりを知ってもらい、仲間意識やコミュニケーションを生みやすくするきっかけを作っています。また、こうしてエンジニアの考えを直接聞ける/伝えられるところも、スタートアップでプロダクトを作っていく楽しさだと思っています。
得られる効果
このイベントにより、以下の効果が得られています。
- ビジネスチームへの機能・ユースケースの周知
- ビジネスチームのメンバが、担当のお客様へ提案できる機能として認知できる
- 発表中の質疑応答により、機能の理解が深まる
- お客様へ伝える予行演習や前準備ができて説明資料としてのクオリティアップ
- プロダクトチームのモチベーション向上
- プロダクトチームのメンバが、自分の成果に対してスポットライトが当たることで、社会的欲求が満たされモチベーションが向上する
- リリースノート化
- 最後に、この Notion を少し改変してリリースノート化。一石二鳥です!
さいごに
テックタッチで行われている「 Showcase 」という取り組みを紹介しました。 上記ではうまく準備、進行出来ているように記載しましたが、実際にはまだまだ上手く伝えられていないことも多いです。今後は、もっと洗練させて良いイベントにしていきたいと思います。
以上、プロダクトチームとビジネスチームの間の距離が気になる皆様へ、少しでもこの取り組みが参考になれば幸いです。