テックタッチアドベントカレンダー 5日目を担当する K です。私は今年4月にテックタッチに入社し、現在PdM/プロダクトオーナーをしております。(入社に至った背景はこちらの入社エントリーにあるので、ご興味ありましたらご覧ください!)
最近は、社内のシャッフルランチで、4日目の記事を担当した misu に自らオススメした『深夜特急』(沢木耕太郎著) を自身でも読み直しており、貧乏旅行に出たくてウズウズしていますww
さて本日は、テックタッチプロダクト開発において今年から使い始めたプロダクトマネジメントツール「Productboard」について、その導入理由やこれまでの活用方法について話をしたいと思います。
プロダクトマネジメントツール導入に至った理由
2019年2月にテックタッチ正式版を開始して以来の約2年間、顧客要望や機能開発の要件は、カスタマーサクセスチームでは Spreadsheet に追加していき、開発チームでは JIRA にチケットを切っていくという形で管理を行なっていました。その後、両件を適宜マージしながら開発項目に落とし込んでいくというシンプルな運用方法です。
一方、テックタッチの導入顧客数が急増し、またカスタマーサクセスチームの規模が拡大するにつれ、顧客要望が多方面から数多く挙がるようになり、要望の一元管理に加え、要望出所、数、重要度との紐付け、そこから開発優先度を客観的に決める必要性など、従来の管理方法だけでは限界も見えていました。
顧客要望が多数挙がるということは、プロダクトへの期待値が高いことの裏返しでもあり嬉しい悲鳴です(ポジティブ思考!)。一方で正確に要望を拾い、限られた貴重な開発リソースを顧客価値の高い機能開発に優先的にアサインするのは難易度が高く、スタートアップがプロダクト成長を維持するためには優先して対処すべき課題だと思います。
そんな課題を解決してくれるサービスがあるのではないかと、以下3点を要件として調査をしたところ、米国発のプロダクトマネジメント SaaS である「Productboard」に辿り着きました。
- 顧客要望が一元管理しやすいこと
- 要望に対して出所や顧客の生の声を紐づけて管理できること
- プロダクトロードマップの作成ができること
Productboardの主な機能
Productboard は多機能なサービスですが、主な機能としてはこのようになります。
- 顧客要望やフィードバックの蓄積
- 各機能の実現目的や、重要度の整理
- プロダクトロードマップの作成
- 各機能の開発/リリース計画と進捗の管理
この1年間の Productboard のリリースノートをみても、 SaaS ならではの新機能の追加やアップデートが頻繁に行われており、一つ一つの機能が作り込まれていることと、オプション設定が豊富なところが特徴です。
Productboardを使い始めて解決したこと
顧客要望の一元管理
サービス導入の一番の目的であった、営業、顧客、 カスタマーサクセス、社内など多方面からの要望やアイディアをProductboardへ集約して管理ができるようになったことで、情報収集や整理、そのためにかけるコミュニケーション工数が大幅に下がりました。特に、 Slack との連携機能を使い、社内の特定の Slack チャネル(#product_arekore)へ要望を投稿することで、 Productboard 内へ要望が蓄積されるようにしたことで、拾った顧客の声や、自分で気づいた機能改善ポイントといった重要な情報の取りこぼしも減りました。
また、情報が1箇所に集約されたことで、プロダクトへの要望が全社へ見える化されました。これにより、例えば顧客とのコミュニケーションの際には、過去にいただいている要望を把握し、まもなく対応予定であることをスムーズにお伝えすることができたり、機能開発の優先度を決める際には、声の数や要望の出元を踏まえて判断できるようになりました。
精度の高い開発優先度付け
要望から Productboard 内の機能に起こす際の社内ルールとして、機能名だけでなく、機能詳細として以下の内容を記述する運用にしました。
- 解決したい問題
- 喜んで使ってくれる顧客像、前提条件
- 想定ソリューションの基本フロー
- 対応しないこと、できないこと
その機能を開発する目的や価値、MVPが明確になったことで、開発規模の見積りや開発優先度付けをする際の精度が高まりました。
これからチャレンジしていきたいこと
機能のROIを見える化
Productboard でサポートしている"ドライバー"(プロダクトとして達成したい基準や課題)と、"機能がドライバーに対してもたらすインパクト度合い"を設定することで、下の図にあるように、要望に対しての機能がプロダクトへもたらす価値と機能開発にかかる工数で割り算ができます。それにより、機能開発の投資対効果(ROI)を明らかにすることができます。ROIの高い順による開発優先順位付けという理想の形を目指していきたいです。
顧客による開発予定機能へのVoting
こちらも優先度付けに繋がる話ですが、 Productboard には"Portal"と呼ばれる、"開発予定機能のティザー公開とそこへの Voting 機能"が用意されています。Productboardの開発予定機能もこれを利用して公開& Voting ができるようになっていて、将来的には我々テックタッチも、顧客の皆さんに予定している開発ロードマップを公開し、欲しい機能へ直接Votingをしてもらうような顧客の声の集め方をしていきたいですね。
まとめ
1プロダクトを多くの顧客が使うSaaSプロダクト開発においては特に、顧客要望をしっかり捉えてプロダクト開発に反映すること、多数の顧客にメリットが出る機能開発に優先して取り組むことが大事です。我々テックタッチでは、 Productboard というプロダクトマネジメントツールを使って、顧客要望の見える化に取り組んでいます。Productboard は多機能であるため、今後その機能をフルに活用して、さらに効果的な顧客要望の収集方法や、顧客に価値の高いプロダクト開発に役立てていきたいと思います!